だっきたん小屋

主に読書記録ですが、話があちこちに飛ぶ傾向があります。

マグダラのマリアと、マグダレンの祈り


そののちイエスは、神の国の福音を説きまた伝えながら、町々村々を巡回し続けられたが、十二弟子もお供をした。


また悪霊を追い出され病気をいやされた数名の婦人たち、すなわち、七つの悪霊を追い出してもらったマグダラと呼ばれるマリア、ヘロデの家令クーザの妻ヨハンナ、そのほか多くの婦人たちも一緒にいて、自分たちの持ち物をもって一行に奉仕した。


(ルカによる福音書 8章 1-2節)



マグダラのマリアが抱え込んでいた七つの悪霊が、どんなものだったのか。


ウィキペディアの「マグダラのマリア」のページを見ると、彼女は「罪の女」とも呼ばれ、後年は娼婦であったか考えられているとのこと。




イエスはマグダラのマリアの罪をゆるしましたが、キリスト教は、マグダラのマリアに象徴されるような、女性の罪を、厳しく断罪する宗教となっていったようです。



ノンフィクション小説として発表され、映画化もされている「マグダレンの祈り」という作品では、マグダラのマリアに由来する名前を持つ、強制収容所のような修道院の洗濯場に閉じ込められて、無報酬で働かされ、虐待を受けて苦しむありさまが描かれています。





レイプなどの被害者であるにもかかわらず、性的不品行があったと非難され、社会からはじき出される女性たちの「罪」とは何であるのか。


そうした収容所が、二十世紀末まで実在していたことに驚きますが、21世紀になっても、「MeeToo」運動が巻き起こるのですから、世の中はいまだに同じ暗さを抱え続けているのかもしれません。


この作品、残念ながら、映画はAmazonプライムビデオには入っておらず、小説も、邦訳されたものは、電子化(kindle版)されていないようです。


日本語字幕のない映画が、YouTubeにアップされていましたので、ざっと見てみました。


会話は分からなくても、収容された女性たちにとって、理不尽で救いのないものであったことは、伝わってきます。



Magdalene The Magdalene Sisters